近年AIの普及により人材の不足が問題になっており、今後もその問題は加速していくことからAIエンジニアやAIデータサイエンティストの人材の価値が高まってきており、資格の人気も高くなっています。
実際に人材としての需要だけでなく、平均年収も正社員だと700~850万円と給与水準が高くとなっており、将来性だけでなく資格を取得するメリットも高い特徴があるのがAI資格の特徴です。
ただ、AI資格を取得したい方の中には他にも以下のような疑問を抱えている方が多いと思います。
- AI関連の資格を取得するメリットは?
- AIの仕事をする上でおすすめの資格は?
- どの資格がどんな職種の役に立つの?
- AI関連の資格を取得する難易度や期間は?
今回は以上のような悩みを解決できるよう、情報をまとめているので、よろしければ参考にしてください。
AI関連の資格を取得するメリット
AI分野は急速に成長しており、様々な業界でAI技術の導入が進んでいます。資格取得によってAIの基礎知識から実務スキルまで身に付けることで、エンジニアやデータサイエンティスト、AIコンサルタントなど、幅広い職種でキャリアを築くことが可能になります。
また、AI人材は慢性的な不足が続いており、求人も増加傾向にあります。資格を取得することで専門知識を証明でき、就職や転職、キャリアアップにおいて大きなアドバンテージとなるでしょう。
AI市場が急成長している
AI市場は現在急成長を遂げており、将来的な拡大も予測されています。IDCのレポートによると、AIシステム市場は2025年までに500億ドル以上に達するとされており、金融、製造、医療、エンターテインメントなど、幅広い分野での応用が進んでいます。
このような背景から、AI関連の資格を取得することで急成長する市場でのキャリア形成が期待できます。
AI人材不足により求人が増加傾向
AI技術の進化と共に、AIに精通した人材の不足が課題となっています。経済産業省によると、日本国内だけで2030年までにAI・データサイエンス分野で約45万人の人材不足が予測されています。
このため、企業は積極的にAI人材を採用し、キャリアアップや高収入を狙えるポジションが増加しています。
AI関連の職種は給与水準が高い
AI関連の職種は専門性が高いため、給与水準も比較的高く設定されています。資格を取得することでより高い給与レンジの求人に応募しやすくなります。資格取得を検討している方は、以下のような手順で給与相場を調べてみると良いでしょう。
- 主要な求人サイトや企業の採用ページで給与相場を確認する
- 資格を活かした職種における雇用形態別の給与差を比較
- 業界の平均給与や資格保持者の事例をリサーチし、将来の収入見込みを把握
AIエンジニアの平均給与
AIエンジニアは高度な技術力が求められるため、給与も他のIT職種に比べて高い傾向があります。特にAIモデルの設計や実装、チューニングを担当するエンジニアは、高い専門性を活かしてキャリアアップを目指すことができます。以下にAIエンジニアの平均給与を雇用形態ごとにまとめました。
雇用形態 | 平均年収 |
正社員 | 約700万円 |
---|---|
派遣社員 | 約500万円 |
フリーランス | 案件により変動 |
年齢別の平均年収
AIエンジニアの年齢別の平均年収は以下のとおりです。
- 20代の平均の年収:約350万円
- 30代の平均の年収:約500万円
- 40代の平均の年収:約650万円
高度人材の年収
特に優れた技術力を持つAIエンジニアは、さらに高い年収を期待できます。
情報処理推進機構の調査によると、AIエンジニアを含む「先端IT従事者」の最も多い年収区分は「1,000万〜1,500万円」となっています。
一部の大手企業では、高度なスキルを持つAIエンジニアに対して2,000万円以上の年収を提示する事例もあります。
AIサイエンティストの平均給与
AIサイエンティストはデータ分析やモデルの開発を行い、ビジネス課題の解決をサポートする役割を担います。深い知識と高度な技術が要求されるため、給与水準も高くなっています。以下にAIサイエンティストの平均給与を示します。
雇用形態 | 平均年収 |
正社員 | 約800万円 |
---|---|
派遣社員 | 約550万円 |
フリーランス | 案件により変動 |
年齢別の平均年収
AIサイエンティストを含むAI関連職の年齢別平均年収は以下のとおりです。
- 20代の平均の年収:約350万円
- 30代の平均の年収:約500万円
- 40代の平均の年収:約650万円
高度人材の年収
特に優れた技術力を持つAIサイエンティストは、さらに高い年収を期待できます。
情報処理推進機構の調査によると、AIサイエンティストを含む「先端IT従事者」の最も多い年収区分は「1,000万〜1,500万円」となっています。
一部の大手企業では、高度なスキルを持つAIサイエンティストに対して2,000万円以上の年収を提示する事例もあります
AIコンサルタントの平均給与
AIコンサルタントは企業のAI導入をサポートし、ビジネス価値の最大化を支援する役割を担います。技術面だけでなく、業務改善や戦略構築のスキルも重要であり、報酬水準も比較的高いです。以下にAIコンサルタントの平均給与をまとめました。
雇用形態 | 平均年収 |
正社員 | 約850万円 |
---|---|
派遣社員 | 約600万円 |
フリーランス | 案件により変動 |
年齢別の平均年収
AIサイエンティストを含むAI関連職の年齢別平均年収は以下のとおりです。
- 20代の平均の年収:約450万円
- 30代の平均の年収:約600万円
- 40代の平均の年収:約800万円
高度人材の年収
特に優れたスキルや実績を持つAIコンサルタントは、さらに高い年収を期待できます。大手コンサルティングファームや先端技術を扱う企業では、経験豊富なAIコンサルタントに対して1,500万円以上の年収を提示する事例もあります。
AI資格のおすすめ7選を比較して紹介!
AI資格はさまざまな種類があり、各資格ごとに得意分野やキャリアでの活用シーンが異なります。ここでは代表的な資格について、取得のメリットや難易度などを詳しくご紹介します。
1:E資格
- AIエンジニアとしてのスキルを証明できる
- 実務スキルが重視されており、採用でのアピール力が強い
- 将来性のある資格として業界での認知度が高い
E資格世界初のAIエンジニアを認定する資格といわれ、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する資格で、AI技術に特化した知識を深めることができます。
特にディープラーニング技術にフォーカスした内容で、開発や実装スキルを身に付けることが可能です。企業での採用時にも技術力をアピールできるため、転職やキャリアアップの機会が増えます。
ただ、E資格は過去問や合格点などが公表されていないことから、独学での学習は非常に難しく講座やプログラムなどを受講することを推奨します。
また、エンジニア向けの資格なので、ジェネラリスト向けの資格を望んでいる方はG検定がおすすめです。
項目 | 内容 |
試験内容 | ディープラーニングに関する知識と実技 |
---|---|
合格率・難易度 | 中級~上級レベル |
必要な職種 | AIエンジニア、データサイエンティスト |
勉強時間 | 100〜200時間 |
受験資格 | JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること |
受験料金 | 一般:33,000円(税込) 学生:22,000円(税込) 会員:27,500円(税込) |
受験方法 | 各地の指定試験会場にて受験 |
運営団体 | 日本ディープラーニング協会 |
おすすめの講座 | AI研究所:E資格講座 |
2:G検定
- 幅広いAI知識をカバーしており、入門者でも受験しやすい
- AI技術の理解を証明でき、ビジネスへの応用力も評価される
- 認知度が高く、履歴書でアピールできる資格
G検定はAIやディープラーニングのリテラシーと「事業に活用する能力(ビジネスへ活かす能力)」を有しているかの検定となります。
「E資格はエンジニア特化」、「G検定はビジネス特化」した資格となっており、AIを世に出す際の注意点として法倫や倫理、現行の議論などを学ぶ必要があります。
AIに関する基礎知識を幅広くカバーした資格で、技術職だけでなく、ビジネスやマーケティング領域でも役立つ内容でAI導入に関わる方にとって、AIの基本的な知識を証明するためのステップとして最適です。
もちろんE資格とG検定、技術とマーケティングどちらの視点も持っておきたいという方はどちらも取得するとより有利に就活や給与の交渉などを進められます。
項目 | 内容 |
試験内容 | AIの基礎理論と活用事例 |
---|---|
合格率・難易度 | 初球から中級レベル |
必要な職種 | 営業、マーケティング、エンジニア |
勉強時間 | 50〜100時間 |
受験資格 | 特になし |
受験料金 | 約13,200円 |
受験方法 | オンライン試験 |
運営団体 | 日本ディープラーニング協会 |
おすすめの講座 | AI研究所:G検定講座 |
3:AWS Certified Machine Learning – Specialty
- クラウド環境での機械学習スキルを証明できる
- AWS環境での実務経験があると評価されやすい
- グローバルに通用する資格で、転職やキャリアアップに有利
AWS Certified Machine Learning – Specialtyは、Amazon Web Services (AWS) が提供するクラウド環境での機械学習とデータサイエンスに特化した資格です。
クラウド環境でのAIモデルの設計・実装・デプロイに必要なスキルが身に付くため、実務に直結しやすい点が特徴です。グローバルに展開する企業での需要も高く、幅広いキャリアに活かせます。
難易度はAWSの資格で最もレベルの高い「Specialty」となりますが、クラウド系の技術を証明するものとなるので、技術者としての評価の向上や転職などに役立つ資格です。
項目 | 内容 |
試験内容 | AWS環境での機械学習の設計と運用 |
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合格率・難易度 | 中級~上級レベル |
必要な職種 | データエンジニア、MLエンジニア、データサイエンティスト |
勉強時間 | 150〜250時間 |
受験資格 | 特になし |
受験料金 | 約300ドル |
受験方法 | Pearson VUE テストセンターまたはオンラインでの監督付き試験 |
運営団体 | Amazon Web Services |
4:Professional Data Engineer
- データ処理から分析までの総合力を証明できる
- Google Cloud Platform (GCP) 環境での実務スキルが評価される
- データエンジニアのキャリアアップに適した資格
Professional Data Engineerは、Google Cloud Platformでのデータ処理や分析を中心とした資格です。データの収集、処理、解析に加え、ビジネスニーズに応じたデータモデル設計が学べます。
特にデータエンジニアとしてのキャリアを目指す方にとって、実務に役立つスキルを証明する強力なツールになります。
Google Cloud認定資格となるので、資格手当や給与アップにつながるケースも多く、取得のメリットは高いですがこちらも「データサイエンティスト3年」と「Google Cloud 1年」の実務経験が必要と記載もあるため難易度も上級レベルとなります。
項目 | 内容 |
試験内容 | データモデル設計と分析の実務知識 |
---|---|
合格率・難易度 | 中級〜上級レベル |
必要な職種 | データエンジニア、データサイエンティスト |
勉強時間 | 150〜250時間 |
受験資格 | 特になし 推奨経験:業界経験が3年以上(Google Cloudを使用したソリューションの設計と管理の経験1年以上を含む) |
受験料金 | 約200ドル |
受験方法 | 遠隔監視オンライン試験またはテストセンターでのオンサイト監視試験 |
運営団体 |
5:AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
- Microsoft Azureの基礎を学ぶのに最適
- クラウド環境でのAI基礎知識が得られる
- 初心者向けの資格で、幅広い職種に対応
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentalsは、Microsoftが提供する初心者向けのAI資格です。Azureを利用した機械学習の基礎から、データ処理、予測分析の基本を学ぶことができ、Azureを活用する企業での業務に役立ちます。
AWSともクライド系の技術ですが、AI-900は初学者にとって敷居が低いためAIに触れる第一歩や基礎知識を習得刷する上でおすすめの資格となっています。
非エンジニアの方でも短期間で取得しやすく、最低限のクラウド知識をつけた証明となるので、AI入門の方に適した資格となります。
項目 | 内容 |
試験内容 | Azureを利用したAIの基礎知識 |
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合格率・難易度 | 初級レベル |
必要な職種 | 初学者、ITサポート、ITエンジニア |
勉強時間 | 50〜100時間 |
受験資格 | 特になし |
受験料金 | 13,750円(税込) |
受験方法 | オンラインまたは会場試験 |
運営団体 | Microsoft |
6:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
- データサイエンスの基礎知識を体系的に学べる
- 実務でのデータ活用スキルが習得できる
- 初学者でもデータサイエンス分野に進みやすい
データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)は、データサイエンスの基礎知識を身に付けるための日本国内向け資格です。
統計やデータの基礎から、実際のデータ活用方法までカバーしており、これからデータサイエンス分野に進みたい方におすすめです。実務での活用スキルも身につくため、データ分析業務に関わる職種に有利です。
項目 | 内容 |
試験内容 | データサイエンスの基礎知識と実務活用 |
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合格率・難易度 | 初級~中級レベル |
必要な職種 | データサイエンティスト、マーケティング、データ分析 |
勉強時間 | 50〜100時間 |
受験資格 | 特になし |
受験料金 | 一般10,000円 学生5,000円 |
受験方法 | CBT方式(全国の試験会場) |
運営団体 | 一般社団法人データサイエンティスト協会 |
7:統計検定
- 統計学の基礎から応用まで網羅できる
- データ分析力の証明に最適
- 学術的なデータ分析スキルが求められる職種に有利
統計検定は、統計学の基礎から応用まで幅広くカバーした資格で、データ分析の理解を深めることができます。
ビジネスや研究など、データの信頼性や分析力が重要視される分野で役立つ資格です。データサイエンス職の基礎力を証明でき、職場での信頼性を高めます。
項目 | 内容 |
試験内容 | 統計学の基礎と応用 |
---|---|
合格率・難易度 | 初級〜上級レベル 1級(最難関)から4級(入門)まで、計6種類の試験があります |
必要な職種 | データサイエンティスト、研究職 |
勉強時間 | 50〜200時間(難易度によって異なる) |
受験資格 | 特になし |
受験料金 | 1級:12,000円 2級:8,000円 3級:5,000円 4級:4,000円 |
受験方法 | CBT方式(全国の試験会場) |
運営団体 | 一般財団法人統計質保証推進協会 |
AI資格に必要な基礎知識
AI資格を取得するためには、いくつかの基礎的な知識が必要です。AIの理解には、数学や統計の基本概念、プログラミングスキル、機械学習やアルゴリズムに関する知識が不可欠です。これらの知識を備えることで、資格取得の勉強を効率的に進められます。
数学や基礎統計の基礎
AIに必要な数学には、線形代数、微分積分、確率・統計が含まれます。これらは、機械学習モデルの構築や評価において重要な役割を果たします。特に統計学の基礎は、データの分布や傾向を理解するのに役立ち、データ分析やAIモデルの精度評価に欠かせない要素です。
プログラミングの基礎
PythonやRなどのプログラミング言語は、AI開発において広く使用されています。Pythonは特に豊富なAI関連ライブラリが揃っているため、初心者でも扱いやすく、AI開発の基礎を学ぶには最適です。データの前処理やモデルの実装に必要な基本的なコードスキルを身につけることで、実践的なAIスキルが向上します。
機械学習・アルゴリズムの基礎
機械学習は、データを用いたパターン認識や予測モデルの構築に必要な知識です。基本的なアルゴリズムである線形回帰、決定木、クラスタリングなどを理解することで、AIの概念が深まります。機械学習の仕組みを理解することで、各アルゴリズムの利点や限界を把握し、AI開発の実務に応用できます。
AI資格を取得するおすすめの勉強方法
AI資格取得のためには、体系的な学習が求められます。独学や講座の受講、オンライン教材など、様々な学習方法を活用することで、効率的に学習を進められます。以下におすすめの勉強方法をいくつかご紹介します。
講座の受講が効率が良くおすすめ
講座の受講は、短期間で集中的に知識を習得できる点が魅力です。プロの講師が解説を行い、実践的なトレーニングも受けられるため、AI資格の勉強に適しています。資格取得に必要な範囲を効率よく学べる点もメリットです。
- 公式のカリキュラムに沿って効率的に学習できる
- 実際のプロジェクトでの応用力が身につく
- 分かりやすい解説と充実したサポート体制
例えば、AI研究所のE資格講座では、E資格取得に特化したカリキュラムが提供されています。資格試験で頻出のディープラーニング技術や実務で役立つ応用スキルを効率的に学べます。
最新の参考書を使用して独学
参考書を用いた独学も有効な方法です。ただし、AI分野は技術の進化が速いため、最新の内容をカバーしている書籍を選ぶことが重要です。最新の参考書を用いることで、資格試験に必要な知識を体系的に学べます。
情報が古い参考書はおすすめしない
古い参考書には、技術の進化に伴って廃れた内容が含まれている場合があります。最新の資格試験範囲に対応するためにも、常に新しい情報を取り入れることが大切です。資格試験の内容や業界のトレンドに即した参考書を選ぶようにしましょう。
動画やネットでの独学
YouTubeやオンライン学習サイトには、AIに関する動画教材が数多くあります。無料または低価格で受講できるため、コストパフォーマンスが高いのが魅力です。また、動画は視覚的に理解しやすく、手軽にAIの基礎知識を学べます。
試験範囲と教材の選定が難しい
動画やネットでの学習は手軽な反面、試験範囲を網羅していない教材も多いため、教材選びには注意が必要です。資格試験に特化した動画や信頼性のある学習サイトを利用し、効率よく学習範囲をカバーすることを心がけましょう。
AIの使い方まとめ
AIは、業務効率の向上や新たなビジネス価値の創出に大きな影響を与える技術です。資格を取得して知識を深めることで、AIを業務で活用するためのスキルを身につけられます。AIの基礎から実務での応用まで体系的に学び、資格を活かしてキャリアアップを目指しましょう。
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