セラミック加工

セラミックの可能性を広げる精密加工技術

セラミックの精密加工とは、高硬度・高耐久性を持つセラミック材料を、極めて高い精度で加工する技術のことを指します。セラミックは、その優れた特性から、さまざまな産業で広く利用されています。精密加工により、セラミックの性能を最大限に引き出し、特定の用途に適した形状や機能を持たせることが可能です。

指この記事の監修者
ニッシン・パーテクチュアル株式会社
代表取締役社長 中村稔

金型関連のものづくりに20年従事し、会社の社長としてリーダーシップを発揮。金型工業会と微細加工工業会にも所属し、業界内での技術革新とネットワーキングに積極的に取り組む。高い専門知識と経験を生かし、業界の発展に貢献しております。

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主なセラミック材料の種類

アルミナ (Al2O3)

アルミナは、最も広く使用されている工業用セラミック材料の一つです。優れた耐熱性と絶縁性を持ち、電子部品や機械部品に利用されています。

ジルコニア (ZrO2)

ジルコニアは、強度と靭性に優れ、耐摩耗性も高い材料です。歯科用インプラントや高耐久性の工具に使用されます。

チッ化アルミ (AlN)

チッ化アルミは、高い熱伝導性と絶縁性を持ち、電子部品の冷却用途に適しています。特にパワーエレクトロニクスでの利用が進んでいます。

炭化ケイ素 (SiC)

炭化ケイ素は、非常に高い硬度と耐熱性を持ち、航空宇宙や自動車産業での高温環境での使用が一般的です。

セラミック材料の特性

各セラミック材料は、それぞれ異なる物理的および化学的特性を持ち、特定の用途に最適です。耐熱性、耐摩耗性、電気絶縁性などの特性を生かし、さまざまな産業で重要な役割を果たしています。

セラミック精密加工の技術

レーザー加工

フェムト秒レーザーは、極めて短いパルスで高精度な加工が可能です。これにより、熱影響を最小限に抑えた加工が実現できます。例えば、微細な溝や穴の加工に適しています。

マシニング加工

高精度のマシニングセンターを使用することで、セラミック材料の複雑な形状加工が可能です。例えば、3軸や5軸のマシニングセンターを用いて、複雑な部品を高精度に加工できます。

放電加工

型彫り放電加工やワイヤー放電加工を使用することで、硬度の高いセラミック材料の精密加工が可能です。これにより、精密な形状を持つ部品の製造が実現します。

セラミックが使われる業界と用途

電子産業

セラミックは、半導体製造装置や基板材料として使用されます。高い絶縁性と熱伝導性を持つため、電子部品の性能向上に寄与します。

医療機器

ジルコニアは歯科用インプラントや医療用デバイスに利用され、その生体適合性と強度が評価されています。

自動車産業

エンジン部品やセンサー部品にセラミックが使用され、耐熱性と耐摩耗性が求められる部位で重要な役割を果たします。

航空宇宙産業

耐熱シールドや構造材料として炭化ケイ素が利用され、過酷な環境下での性能が求められます。

工業機械

セラミックは耐摩耗部品や高耐久ツールとして使用され、その長寿命と高性能が評価されています。

精密加工におけるチャレンジ

セラミックは硬度が高く脆性があるため、加工時には亀裂が入りやすいという課題があります。これに対して、高精度な加工技術と適切な加工条件の設定が求められます。また、精度を維持するための工夫も重要です。

ニッシンパーテクチュアルの技術と実績

ニッシンパーテクチュアルでは、最新の設備を駆使して高精度なセラミック加工を行っています。例えば、Mikron HSM 200 LPやLASER P 400、FORM P350などの設備を用いて、多様な加工ニーズに応えています。実際の加工事例や顧客からの評価も高く、多くの成功事例があります。

セラミック精密加工の未来

新技術の開発と適用により、セラミック精密加工の未来はますます広がっています。市場のトレンドや将来予測を踏まえ、ニッシンパーテクチュアルでは今後も技術革新を続けていく予定です。

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