微細加工

バイオミメティクス加工による機能性について

バイオミメティクスは、自然の形態や機能を科学技術に取り入れ、より持続可能で効率的な解決策を追求する分野です。生物が長い進化の過程で編み出した独自の機能や構造を模倣することにより、エネルギー効率の向上、新素材の開発、持続可能な環境技術へとつながる革新が促されています。

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ミノル的視点

バイオミメティクスはまだまだ研究段階ですが、大きな可能性を秘めています。ニッシン・パーテクチュアルではフェムトレーザーを使った加工で様々な形状加工で機能性のテクスチャを実現しています。

バイオミメティクスとは:自然を模倣する科学

バイオミメティクスは、自然の形態や機能を科学技術に取り入れ、より持続可能で効率的な製品やプロセスを開発する分野です。このアプローチは、自然界の様々な生物が長い進化の過程で獲得した驚異的な能力にヒントを得ています。例えば、蓮の葉から着想を得た撥水技術や、サメの皮膚の構造を模倣した抗菌表面などがあります。これらの技術は、エネルギー効率の向上、資源の節約、環境負荷の低減に寄与しており、持続可能な開発の鍵とされています。

テクスチャの革新:自然界の表面構造を模倣

自然界には様々な表面構造が存在し、それぞれが特有の機能を持っています。例えば、シャクトリムシの表皮は超撥水性を持ち、これを模倣した塗料やファブリックが開発されています。また、ゲッコーの足の微細な毛構造を模倣した新しいタイプの接着剤も開発され、これにより、表面を選ばずに強力な接着が可能になりました。これらの技術は、自然の知恵を活用し、エネルギー消費を抑えながら効率的な方法で問題に対処するための道を開いています。

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ミノル的視点

自然界の植物や生物の形状による特殊効果は人間の創造のはるか上をいく性能を持っています。科学的に実現しようと思っても難しいのが現状です。生物の進化ってロマンがありますね~

機能性を高めるバイオミメティクスの利点

バイオミメティクスは、自然の設計を取り入れることで、製品の機能性を向上させる多くの利点があります。例えば、鳥の翼からインスピレーションを受けた航空機の翼は、より軽量で、燃費効率が良く、騒音を低減する設計が可能です。また、カモフラージュの優れた例であるイカの皮膚を模倣した素材は、軍事技術やファッション業界での応用が期待されています。これらの進歩は、自然が数百万年にわたり編み出してきた解決策を利用することで、人間の技術もまた新たな段階へと進むことを可能にしています。

撥水性:自然界の撥水メカニズムの活用

自然界には、水を弾く驚異的なメカニズムが存在します。特に有名なのは、蓮の葉の表面構造です。蓮の葉は、その微細な突起とワックス層により水滴を完全に弾きます。この「ロータス効果」は、自己清浄機能を持つ塗料や、防水性の高い衣料品の開発に応用されています。また、カブトムシの甲羅からヒントを得た新しい撥水材料は、より耐久性があり、効率的な水の管理が可能になることが期待されています。これらの技術は、環境に優しく、資源を有効活用するための革新的な解決策を提供しています。

親水性テクノロジー:自然界の原理を取り入れて

自然界には、水を引き寄せて保持する能力を持つ素材が多く存在します。例えば、ナマコの皮膚は水分を効率的に吸収し、これが自然の親水性の一例です。このような特性を工業製品に応用することで、水処理技術や洗浄剤の効率が飛躍的に向上します。最新の研究では、これらの生物の親水性を模倣した新素材を使用して、水質浄化やスマートファブリックなど、幅広い分野での応用が進められています。これにより、より少ないエネルギーと資源で、より大きな効果を期待することが可能となっています。

凹凸構造による光の反射の抑制の原理

凹凸構造による光の反射の抑制の原理はモスアイと呼ばれています。
モスアイ(Moth Eye)は、夜行性の蛾が持つ特有の目の構造に着想を得た技術で、その目は表面が微細な凹凸で覆われており、光の反射を極端に抑えることができます。この性質を利用して、さまざまな光学素材やディスプレイの反射防止処理に応用されています。

モスアイ構造の原理

モスアイの表面は、ナノスケールでの細かい凹凸が規則的に配列されており、これが光の反射を抑制します。この凹凸構造によって、光が表面に入射した際に、折り返しが発生しにくくなります。その結果、蛾の目はほとんど光を反射せず、夜でも捕食者に見つかりにくくなっています。

モスアイ技術の応用

  • ソーラーパネル:ソーラーパネルの表面にモスアイ構造を応用することで、日光の反射を減らし、光の吸収率を高めることができます。これにより、変換効率が向上し、より多くのエネルギーを生成することが可能になります。
  • ディスプレイ技術:スマートフォンやテレビなどのディスプレイにこの技術を用いることで、外光による反射を抑え、屋外でも画面が見やすくなります。
  • 光学機器:カメラレンズや望遠鏡などにモスアイコーティングを施すことで、不要な光の反射を抑制し、画像のクオリティを向上させることができます。

技術の展望

モスアイ構造は、その非反射性能により、エネルギー効率の向上や環境への影響を考慮した製品設計において、重要な役割を担っています。さらに、この技術は製造プロセスの進化により、より広節な産業への応用が期待されています。

バイオミメティクスによる殺菌技術の例

  1. シャークスキン模倣表面: サメの皮膚は微小なリブ構造を持ち、これが細菌の付着を防ぐ効果があることから、この構造を模倣した素材が開発されています。これを病院のドアハンドルや医療器具の表面に応用することで、表面に細菌が繁殖することを防ぎ、院内感染のリスクを減少させることが可能です。
  2. ロータス効果: ロータスの葉は水を弾くと同時に、表面の微細な構造が汚れや微生物を取り除く自浄作用を持っています。この「ロータス効果」を応用したコーティング材料は、建築物の外壁や窓ガラスに使用され、清掃の頻度を減らすとともに、表面の衛生状態を改善する助けとなります。
  3. カブトムシの翅の構造: カブトムシの翅は特有のナノレベルの構造を持っており、これが細菌の成長を抑制することが研究で示されています。この構造を模倣した素材は、食品加工施設やキッチン用品に使用されることで、製品表面の衛生管理を強化する可能性を秘めています。
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ミノル的視点

上記で紹介した効果以外にも様々な形状による効果があります。効果と原理がわかっていてもそれを形にするのが難しいので日々研究と開発を繰り返して製品化に落とし込んでいきます。

バイオミメティクスによる耐久性の向上

バイオミメティクスは、製品の耐久性を向上させるための研究にも応用されています。自然界の生物が示す耐久性ある構造を理解し、それを模倣することで、より長持ちし環境に優しい製品が開発されています。例えば、貝殻の層状構造は非常に高い耐衝撃性を持ち、この原理を建築材料や自動車の部品に応用することが研究されています。また、竹のように急速に成長し且つ強度が高い素材は、持続可能な建築や家具製造に利用され、その耐久性と環境への配慮が評価されています。これにより、製品の寿命が延び、廃棄物の削減にも繋がります。

エネルギー効率の最適化:自然の知恵を製品設計に

自然界はエネルギー効率の最適化においても優れたモデルを提供します。特に注目されているのは、植物が光合成で太陽光を最大限に活用するメカニズムです。このプロセスを模倣したソーラーパネルは、太陽光をより効率的に電力に変換し、再生可能エネルギー技術の向上に寄与しています。また、サボテンのように極限の環境下でも水分を効率的に管理する能力からは、水の使用を最適化するシステムの設計へのヒントが得られます。これらの技術は、資源の消費を抑え、環境負荷を低減することに貢献しており、持続可能な社会づくりに不可欠です。

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ミノル(覚醒中)

バイオミメティクスの可能性について話すと本当にワクワクします!私たちは自然の驚異的な構造を模倣して、革新的な製品を開発しています。このアプローチで、精密な微細加工技術をフル活用し、自然界の優れた特性を製品に生かしているんです。この技術を使えば、持続可能で効率的な解決策を提供できるんですよ。私たちの研究が、未来への扉を開く鍵になると信じています!本当に、この分野でのブレイクスルーは、社会にとって大きな貢献となるはずです!

指この記事の監修者
ニッシン・パーテクチュアル株式会社
代表取締役社長 中村稔

金型関連のものづくりに20年従事し、会社の社長としてリーダーシップを発揮。金型工業会と微細加工工業会にも所属し、業界内での技術革新とネットワーキングに積極的に取り組む。高い専門知識と経験を生かし、業界の発展に貢献しております。

詳細プロフィールは⇒こちら

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