切削加工

高精度なチタンの切削加工の技術とコツ

チタンは、その高強度、軽量、優れた耐食性、生体適合性により、航空宇宙、医療機器、化学工業などの多様な分野で広く利用されています。しかし、チタンの加工は難易度が高く、特有の注意点が必要です。本記事では、ニッシンパーテクチュアル株式会社の最新技術を駆使したチタン切削加工の特性、メリット・デメリット、具体的な加工方法、および加工時の注意点とコツについて詳しく解説します。

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ミノル的視点

iphone15の上位モデルに使われて話題になったチタンですが、ロケットや医療用品、キャンプグッズ、日用品など幅広く使われています。 

チタンの特性

チタンは高強度、軽量、耐食性に優れており、航空宇宙、医療機器、化学工業などで広く利用されています。これにより、厳しい環境条件下でも性能を維持するため、長寿命の部品が必要な用途に適しています。しかし、チタンは加工が難しい材料でもあります。

チタンのメリット

  • 高強度と軽量
    チタンは鉄の約60%の重量でありながら、同等かそれ以上の強度を持ちます。これにより、軽量化が求められる航空機や車のパーツなどに最適です。例えば、航空機の構造部材に使用することで、燃費の向上と性能の向上を実現します。
  • 優れた耐食性
    チタンは酸、塩基、塩水などの腐食性の高い環境に対して高い耐性を持ちます。これにより、化学工業や海洋構造物での使用が可能です。化学プラントの配管や熱交換器など、過酷な環境下で長期間使用される部品に適しています。
  • 生体適合性
    チタンは人体に対して反応を示さないため、医療用インプラントや義肢などに使用されます。例えば、歯科インプラントや人工関節として使用されることで、患者の生活の質を向上させます。

チタンのデメリット

  • 加工の難しさ
    チタンは熱伝導率が低く、加工中に工具が過熱しやすいです。これにより、工具の摩耗が激しくなり、加工が困難になります。例えば、適切な冷却を行わないと、工具寿命が著しく短くなります。
  • 工具摩耗
    チタンの高硬度により、通常の工具では摩耗が早く進行します。専用の工具と適切な加工技術が必要です。高性能なコーティング工具や特殊合金工具の使用が推奨されます。
  • 変形しやすい
    チタンは切削中に変形しやすく、特に薄肉部品の加工では注意が必要です。加工中の応力を管理し、変形を最小限に抑えるための工夫が求められます。
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ミノル的視点

人体へのアレルギー反応がほぼないので金属アレルギーの方でも安心して身に着けられる素材です。

チタンの硬度

チタンの硬度は非常に高く、HV (ビッカース硬度) で200〜300程度です。このため、切削時に工具の摩耗が早く進行します。高硬度のため、工具材料の選定と適切な加工条件の設定が重要です。

チタンの熱伝導率

チタンの熱伝導率は約7.1 W/m·Kであり、これは金属としては低い値です。低い熱伝導率は、加工時に生成される熱が工具に集中しやすく、工具の寿命を縮める原因となります。冷却液の使用や切削速度の調整が必要です。

チタンのヤング率

チタンのヤング率(弾性係数)は約110 GPaです。これは、チタンが非常に剛性が高く、弾性的に変形しにくいことを示しています。この特性は、精密な寸法精度が求められる部品の加工において有利です。

各種金属の比較表

特性 チタン (Ti) ステンレス (SS) スチール (Steel) アルミ (Al)
硬度 (HV) 200-300 150-220 120-200 15-160
熱伝導率 (W/m·K) 7.1 16 50 205
ヤング率 (GPa) 110 200 210 70

加工方法

マシニングセンター(5軸加工)

    • 特徴
      高速回転と多軸制御により、複雑な形状や高精度の部品を加工可能です。5軸加工では、部品を様々な角度から一度に加工できるため、工程の短縮と精度の向上が図れます。
    • 利点
      高い自由度と精度により、複雑な形状の部品や高精度な仕上げが必要な部品の加工に最適です。航空機部品や医療機器の加工に特に適しています。
    • 具体例
      航空機のタービンブレードや、医療用の骨プレートなどの複雑形状の部品の加工。

NC旋盤

      • 特徴
        数値制御(NC)により、自動で高精度な加工が可能です。円筒形状の部品の加工に特に優れています。
      • 利点
        高い再現性と一貫した品質が求められる大量生産品に適しています。自動化により生産効率が向上します。
      • 具体例
        自動車部品のシャフトやピストンなど、円筒形状の部品の加工。

フライス盤

    • 特徴
      手動および自動制御で、平面や溝、キー溝の加工を行います。様々な形状の部品の加工が可能です。
    • 利点
      切削速度の制御が容易であり、加工中の熱管理が重要です。フライス加工は多様な形状の部品の製作に適しています。
    • 具体例
      機械部品のフランジやベースプレートなど、平面や溝加工が必要な部品の加工。

加工時の注意点とコツ

  1. 適切な切削条件の設定
    • 切削速度
      低速での切削が望ましいです。高速度での切削は熱の蓄積を招き、工具の摩耗を早めます。
    • 送り速度
      適切な送り速度を維持することで、工具の摩耗と熱の発生を抑えられます。
  2. 冷却
    • 冷却液の使用が不可欠です。加工中の熱を効率的に散逸させることで、工具寿命を延ばし、加工精度を維持できます。
  3. 工具の選定
    • コーティング工具
      高性能なコーティングを施した工具を使用することで、工具の寿命を延ばし、加工精度を向上させます。
    • 特殊合金工具
      チタン専用の特殊合金工具を使用することで、工具摩耗を抑え、高精度な加工が可能です。
  4. 応力管理
    • チタンは変形しやすいため、加工中の応力を管理することが重要です。適切な固定方法と加工順序を計画することで、変形を最小限に抑えます。

ニッシンパーテクチュアルの技術

ニッシンパーテクチュアルでは、これらの加工技術を駆使し、高品質なチタン製品を提供します。最新の加工機械と豊富な経験により、難削材であるチタンの加工においても高い精度と効率を実現しています。

ニッシンパーテクチュアルは、長年の経験と最新の技術を融合し、高品質なチタン製品を提供するための最適な加工ソリューションを提供します。

指この記事の監修者
ニッシン・パーテクチュアル株式会社
代表取締役社長 中村稔

金型関連のものづくりに20年従事し、会社の社長としてリーダーシップを発揮。金型工業会と微細加工工業会にも所属し、業界内での技術革新とネットワーキングに積極的に取り組む。高い専門知識と経験を生かし、業界の発展に貢献しております。

詳細プロフィールは⇒こちら

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