フェムト秒レーザー

フェムト秒レーザーによるブラスト加工技術の最前線

ニッシンパーテクチュアルは、最先端のフェムト秒レーザーを駆使したブラスト加工技術を誇ります。この革新的な技術は、医療、光学、電子機器、航空宇宙など、さまざまな業界で活躍しています。高精度かつ非接触の加工により、異物の混入を防ぎ、熱影響を最小限に抑えつつ、ナノメートルレベルの精密な仕上がりを実現します。本記事では、フェムト秒レーザーによるブラスト加工の特長と、多様な用途について詳しく解説します。

レーザーブラスト加工とショットブラスト加工の比較

レーザーブラスト加工とショットブラスト加工は、どちらも表面処理技術であり、金属やその他の材料の表面を改善するために使用されます。しかし、それぞれの方法には異なる特徴と利点があります。この記事では、これらの技術を比較し、それぞれの利点と欠点を詳しく説明します。

レーザーブラスト加工

レーザーブラスト加工は、レーザー光を使用して材料の表面を処理する技術です。高エネルギーレーザーパルスを使用して、表面の微細な部分を蒸発させたり、除去したりします。

利点

  1. 高精度
    レーザー光の焦点を極めて小さく設定できるため、非常に細かい部分まで精密に処理が可能です。
  2. 非接触
    加工時に材料に物理的な接触がないため、機械的な損傷や変形のリスクがありません。
  3. クリーン
    化学薬品を使用せず、廃棄物もほとんど出ないため、環境に優しいです。
  4. 多様な材料対応
    金属、プラスチック、セラミックスなど、さまざまな材料に対応可能です。

欠点

  1. 高コスト
    初期導入費用が高く、装置のメンテナンスコストも高いです。
  2. 速度
    ショットブラストに比べて加工速度が遅い場合があります。
  3. 熱影響
    高エネルギーのレーザーを使用するため、材料に熱影響を及ぼす可能性があります。

ショットブラスト加工

ショットブラスト加工は、高速で小さな砥粒(ショット)を材料の表面に打ち付けて処理する方法です。主に金属表面の清掃や表面強化に使用されます。

利点

  1. 高効率
    広い面積を迅速に処理することができるため、大量生産に向いています。
  2. 低コスト
    装置の導入費用が比較的低く、運用コストも低いです。
  3. 表面強化
    打ち付けられたショットが表面を硬化させ、耐久性を向上させます。
  4. 多様な用途
    錆や旧塗膜の除去、表面の粗化など、多目的に使用可能です。

欠点

  1. 精度不足
    細かい部分や複雑な形状の処理には向いていません。
  2. 表面損傷
    ショットが材料に物理的に打ち付けられるため、表面に微小な損傷を与える可能性があります。
  3. 廃棄物
    砥粒や除去された材料の破片が発生し、廃棄処理が必要です。

結論

レーザーブラスト加工とショットブラスト加工は、それぞれ異なる強みを持つ技術です。レーザーブラストは高精度でクリーンな加工が求められる場合に適していますが、高コストがネックとなることがあります。一方、ショットブラストは低コストで広範囲の処理が可能ですが、精密さに欠けることがあります。使用目的や要求される精度、コスト要因を考慮して、適切な方法を選択することが重要です。

レーザーブラスト加工の業界と用途

レーザーブラスト加工は、その高精度と非接触の特性により、さまざまな業界で広く使用されています。以下では、特に利用される業界と具体的な用途について詳しく解説します。

医療業界

人工関節やインプラント
レーザーブラスト加工は、医療分野での金属およびセラミック製の人工関節やインプラントの製造において重要な役割を果たしています。この加工方法の主な利点は以下の通りです。

  1. 異物混入防止
    レーザーブラストは非接触加工であるため、加工中に異物が混入するリスクが極めて低く、清潔な表面が得られます。
  2. 高精度
    人体に埋め込まれる医療器具には高い精度が求められますが、レーザーブラストは細かな部分まで精密に加工できます。
  3. 生体適合性
    表面の微細な調整が可能なため、生体適合性を向上させる処理ができます。これにより、インプラントの定着率が高まり、患者の回復を促進します。

光学業界

カメラのレンズ金型
カメラのレンズ金型の製造においてもレーザーブラスト加工が活用されています。この分野での利点は以下の通りです。

  1. 精密加工
    高精度のレーザーブラストにより、レンズ金型の微細な凹凸や曲面を正確に加工できます。これにより、レンズの品質と性能が向上します。
  2. 表面仕上げ
    レンズ金型の表面を非常に滑らかに仕上げることで、光の透過性を高め、レンズの光学特性を最適化します。
  3. 耐久性
    レーザーによる加工は、金型の耐久性を向上させ、長寿命化を実現します。

航空宇宙業界

エンジン部品や航空機構造材
航空宇宙分野では、エンジン部品や航空機構造材の加工にレーザーブラストが使用されています。この業界での利点は以下の通りです。

  1. 高精度と信頼性
    航空機の部品には極めて高い精度と信頼性が求められますが、レーザーブラストはこれを満たすための加工技術として最適です。
  2. 軽量化
    レーザーブラストは微細な構造を加工できるため、材料の軽量化が可能です。これにより、燃費効率の向上が図れます。
  3. 耐熱
     高温環境にさらされる部品に対しても、耐熱性を持つ表面加工が施せるため、エンジン性能の向上に寄与します。

電子機器業界

半導体および電子部品
電子機器の製造にもレーザーブラストは広く使用されています。

  1. 微細構造の形成
    半導体や高密度実装基板の微細構造を高精度に加工できるため、電子機器の小型化と高性能化に貢献します。
  2. 無接触加工
    非接触であるため、デリケートな電子部品に対しても損傷を与えることなく加工が可能です。
  3. 高効率
    大量生産においても高い効率で加工が行えるため、生産コストの削減に寄与します。

まとめ

レーザーブラスト加工は、その高精度と非接触の特性を活かし、医療、光学、航空宇宙、電子機器、自動車など多岐にわたる業界で利用されています。それぞれの業界での具体的な用途を考慮することで、レーザーブラスト加工の持つ多様な可能性と利点を最大限に活用することができます。

指この記事の監修者
ニッシン・パーテクチュアル株式会社
代表取締役社長 中村稔

金型関連のものづくりに20年従事し、会社の社長としてリーダーシップを発揮。金型工業会と微細加工工業会にも所属し、業界内での技術革新とネットワーキングに積極的に取り組む。高い専門知識と経験を生かし、業界の発展に貢献しております。

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